【番記者のちょっといい話】ヤクルト・石川、「原点に戻れる」実家の『石川雅規ルーム』
今年1月。ヤクルト・石川は秋田の実家に帰省し、自身のユニホームや写真、記念球、父・昭芳さんが収集した新聞のスクラップなどが保管されている『石川雅規ルーム』に入った。
「いろいろなものを見返すと、そのときどきの気持ちとかを思い出すから原点に戻れる」
身長167センチのベテランは幼少期から体が大きくなかった。体力はなく、足も遅かった。だからといって夢を諦めたことは一度もない。
「何とかしてやろうと思って練習していた」
「昔から『体が小さいから無理だよね』と言われるのが嫌だった。野球は無差別級。自分のストロングポイントを生かそうと、何とかしてやろうと思って練習していた」。幼少期に使っていたグラブを懐かしそうに手に取りながら、言葉に力を込めた。
「石川雅規ルーム」には、父・昭芳さんがスクラップしてきた紙面が丁寧に保存されている。
幼少期は就寝前「プロ野球選手になれる」と思いながら布団に入った。
「念ずれば花開くじゃないけど、信じて思い続けることがすごく大事。何事も初めてを成し遂げた人は(周囲に)無理だよと思われたことを乗り越えている。小さい頃と変わらず、できると信じてやっている」。
何一つ言い訳にしたことはない。勝利することを信じて疑わず、努力を重ねた先にたどり着いた23年連続の勝利だった。