小川泰弘とは
小川 泰弘(おがわ やすひろ、1990年5月16日 - )は、愛知県渥美郡赤羽根町(現:田原市)出身のプロ野球選手(投手)。
右投右打。東京ヤクルトスワローズ所属。背番号は「29」。愛称は「ライアン」。
2012年のドラフト会議で東京ヤクルトスワローズから2位指名を受け、11月28日に契約金7000万円、年俸1200万円で仮契約した(金額は推定)。
プロ1年目から大器の片鱗を見せる活躍をする。
リーグ最多勝となる16勝目を挙げ、26登板、16勝4敗、勝率.800、防御率2.93、135奪三振、4完投、3完封を記録し、平成生まれ初となる最多勝利と最高勝率のタイトルを獲得。これらの実績が評価され、2013年度のセ・リーグ新人王に選出された。
奉納バントとは
「奉納バント」とは、ライアンが行う独特な送りバントのスタイルのこと。
通常、送りバントをする時は、バットを水平に寝かせて、自分の目線をできるだけバットに近づけながら行うのがセオリーだ。
しかし、小川の場合はバントの構えをする際に、異様にバットの位置を高くして構える。
これがまるで「祈りを捧げてるようだ」や、「貢ぎ物でもするのか」、「こんな形で失敗したら叩かれるぞ」とSNS上で話題になり、その後無難に送りバントを決める姿が話題となった。
奉納バントの登場時期
ライアンが「奉納バント」を行い始めたのは2022年シーズンの後半からとヤクルト球団広報の三輪正義氏が語っている。
また、2022年10月13日に放送された『ニッポン放送ショウアップナイタースペシャル ヤクルト-阪神 第2戦』で解説を務めた真中満氏が「小川選手がバントを決めるとベンチの雰囲気、スタンドの雰囲気が盛り上がる。バントのフォームを変えてから成功率は上がっていますか?」と試合前の番組で小川に質問。
小川は「だいぶ上がっていますね。もうやめられないですね」と返答した。すかさず真中氏は「独自で編み出しました?」と振ると、小川は「上から構えていくというアドバイスがあって、大げさにやってみたらああいう形になりました。決まればOKかなと思います」と話した。
その後の2023年シーズンにおいても奉納バントのスタイルを継続すると、SNS上で再び話題になり、「奉納バント」という言葉が誕生した。
奉納バントの構えにはちゃんとした理由がある
セオリー無視のその独特なフォームから物議を醸すこともある「奉納バント」。
しかし、小川自身は大真面目に「僕としては、あれが一番やりやすいなと。力も抜けますし。下から上にいっちゃうと、力が入ってポップフライになるので。上から下で合わせるという基本のところですかね。やりやすいんですよ。本当に。話題とかじゃなくて、本当にしっくり来る」と語っている。
ライアン流バントの極意
ライアンはバントで大事な点を次のように述べています。
- インハイの速い球に合わせる
- インハイ目線でバットを構える
- 上から下への意識でゴロを転がす
- 軽く握る
- リラックスして構える
奉納バントにはライアンの経験に裏打ちされたしっかりとした理論があるんですね。
バントの師は三輪正義
先述の三輪正義氏が現役時代に、小川に「どうやってバントやっているの? バントを教えてほしい」と頼まれたことがあったそうです。
その際、三輪氏は次のように小川にバントの方法を教えました。
まずは目とボールを結ぶ線上にバットを入れること。バットを手でコントロールしたり、膝を上下させたりすると目線がずれるので、体ごとボールに寄せること……そのためには、前の手(右打者なら右手)一本でコンとバットにボールを当てる練習をしてみたら、と言いました。
出典:文春オンライン
チームのエースとして誰よりもバントの重要性をわかっている小川投手。
三輪氏は「きっと彼なりにいろんなことを考え、相当な数の試行錯誤を重ねて今のスタイルにたどり着いたのでしょう。」と述べています。
鏡開きでも奉納バント
2022年シーズン9月25日、横浜スタジアムでリーグ優勝を決めたヤクルトスワローズ
優勝記念の鏡開きの席で、選手会長であったライアンのちょっとお茶目な一面を見ることができます。
鏡開きの記念撮影中に、「奉納バント」のポーズで会場の笑いを誘うライアン。
思わず後ろにいた高津監督や選手たちが爆笑しているのがとてもいい雰囲気です。
まとめ
今回は小川泰弘投手の代名詞である「ライアン」に続き、「奉納バント」についてまとめました。
最初はちょっとふざけているようにも見えるこの独特なポーズ。
しかし、このスタイルにはライアン流のしっかりとした理論があり、高い成功率も誇っています。
今後、ランナーがいる状態でライアンが打席に立つときは、「奉納バント」にも注目してみてください。