廣岡大志を応燕したい
私はヤクルトスワローズの大ファンです。
幾度となくこのアットホームな球団の選手たちの活躍に心踊らされ、時には苦しい時間を共有してきました。
なので、球団を応燕する以上に、選手たちのことを応燕したいと思っています。
一昨年、シーズン開幕前に突如トレードで読売ジャイアンツに渡った廣岡大志のことを、今も応燕しています。
なので、廣岡大志に向けられている肘出し故意死球の疑惑を考察し、彼を擁護する立場で記事を書きます。
事件は9回裏のジャイアンツの攻撃中に起こった
試合展開
9回裏のジャイアンツの攻撃、2-1でヤクルトが1点リードするも、1アウト3塁でヤクルトがピンチの場面、バッターには代打で廣岡選手が登場します。
犠牲フライだけでなく、スクイズも警戒というところで、高橋―古賀バッテリーは廣岡選手のインコースを厳しく攻めます。
初球はインハイのストレートを見逃してストライク、そして事件が起こったのは2球目でした。
高橋投手の投じたインハイのストレートが廣岡選手の肘に当たりデッドボールになったのです!
ツイッターでは一時炎上状態に
その後、高橋投手は後続を打ち取り、2-1でヤクルトが勝利しました。
しかし、ツイッターでは
廣岡選手のデッドボールがわざと肘を出して当たりに行ったのではないか?
というコメントが飛び交い、一時炎上状態になりました。
実際どうだったのか?
デッドボールの投球
この時、リアルタイムで中継を見ていましたが、緊迫した場面で、アレ?というような何だか拍子抜けした感じだったのを覚えています。
この映像だけなら、インコースの球が当たって、廣岡選手がケガをしなくて良かった~!で済んでいたのですが。
実は、初球も当たりに行っているのではという指摘があります。
初球のインハイ
う~~ん、当たりに行っていると言われれば、そういう風に見えなくもありません。
ポイント
1つ言えることは、インコースのボールを避けていないことは確かですね。
疑惑は開幕戦にも
廣岡選手が故意に肘を出したかどうかは定かではありませんが、今回炎上したのには1つ理由があります。
実は開幕戦でも疑惑の打席が
中日との開幕戦に大野投手のインハイのストレートに対して肘を出したのではという指摘がありました。
この時はデッドボールは認められず、ボールの判定で試合続行となりました。巨人の元コーチが肘出しを容認するようなコメント
2021年までジャイアンツの1軍投手チーフコーチを務め、2022年には球団社長付アドバイザーに就任した宮本和知氏は、中日との開幕を振り返り、こんなコメントを出している。
【巨人】宮本和知氏 大野雄を崩したのは「ファイター広岡」の肘出し
スポーツ報知評論家の宮本和知氏は「俺の中でヒーローは広岡なんだよね」と開幕戦を振り返った。
* * *
大勢、菅野、ポランコともう一人、広岡もお立ち台に上げたかったなぁ~。俺の中でヒーローは広岡なんだよね。
大野雄を崩せたのは広岡“肘出しボール”があったからだよ。1点を追う2死三塁。2ストライクから内角高め148キロに、左肘を出して当たりにいった(判定は死球ではなくボール)。「当たってでも次に回すんだ」という強い気持ちが出ていた。「ファイター広岡」だね。
直後の4球目、内角直球が甘く入って同点の中越え二塁打。1球前の“肘出しボール”で、投手からすれば死球があるから内角ギリギリに投げることに怖さがあったと思う。あの“肘出し”が内角を甘く来させた。見えないファインプレー。評価してあげてほしいね。
このコメントが、あたかもジャイアンツがインコースの球には肘を出して故意に死球を受けに行き、ピッチャーの内角攻めをけん制するよう指導しているのではないかという指摘が相次ぎました。
この前置きがあり、今回の廣岡選手のデッドボールが同じように故意に受けに行ったのではないかという疑惑が再燃してしまったようです。
廣岡選手は肘を出して当たりにいったのか?
今回のシーン、廣岡選手にとってはヒット、または最低でも外野フライを打ち、同点に持ち込むことが使命でした。
そのためには例えインコースにボールが来るとしても、踏み込んで打ちに行かなければならない場面だったのではないでしょうか。
そう考えながら今回のシーンを見てみると、私には廣岡選手が2球とも外角の球の流し打ちを狙っている待ち方をしているように見えます。
インコースは捨て、踏み込んで打ちに行った結果、故意ではなく肘に当たってしまったのだと思います。
インコース攻めの弊害
著名な野球解説者でも、「インハイに投げて打者をのけ反らせて、アウトコースの球に踏み込ませないようにする」という配球は、当たり前のように語られます。
アウトコースだけで勝負すると、逃げた配球だとファンから非難を浴びるケースも少なくありません。
そういった踏み込めばデッドボールになってしまうほどのインコースへの配球が当たり前になってしまっている現状が、今回の問題の根底にあるのかもしれません。
元日米大学野球選手権大会日本代表監督の石山健一氏は、次のように述べています。
現在、プロ野球に限らず、大学野球や高校野球などアマチュアでもほとんどの打者がエルボーガードを着用しています。もともとは選手の体を守るために作られたものですが、これによって打者は死球を怖がらなくなってしまいました。以前なら避けていたインコースの厳しい球に対しても、思い切り踏み込んでくる。そうなるとピッチャーはより厳しい球を狙い、さらに打者に近いボールを投げる。死球が多くなった背景には、そのようなことが大きく影響していると思います。
まとめ:死球は真剣勝負の結果
廣岡選手はジャイアンツに行って、インコースは避けずにエルボーガードで受けるよう指導されているのかもしれません。
高橋投手が、死球を当てた後に謝らなかったというのは、何も廣岡選手が卑怯な戦法をとったからではなく、インコースの球にも動じない真剣勝負の結果だったからではないでしょうか。
それは1つのスキルなのかも知れませんが、インコースを避けず、エルボーガードで受けることに慣れてしまうと、本当に避けなければいけないボールを避けることができなくなります。
ジャイアンツのチーム方針として、そのような指導をしているのであれば即刻止めていただきたいです。
廣岡大志を応援したい(再)
私たちは廣岡大志にはたくさん苦労させられてきました。
将来有望の大型の遊撃手として期待される中、大事な場面でエラーをしたり、時には長い間ヒットが出ず苦しんだ時期もありました。
しかし、ロマンあふれる長打で私たちを魅了し、多くのヤクルトファンから好かれていたことも事実です。
だから、廣岡大志の所作に対して残念に思う気持ちはとてもわかります。
ヤクルトファンの多くが毛嫌いする読売ジャイアンツに移籍した結果、彼は変わってしまったのだろうか?
そんなことはないと思う。
プロ野球選手という華々しい舞台で活躍する彼らも、私たちと同じように環境に苦しんだりすることがあるだろう。
だからこそ、今、苦しい立場で頑張っている廣岡大志を応燕したい。
がんばれ!廣岡大志!私たちは応燕しているよ!